事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当連結グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。

(1)官公庁等への売上依存について

当連結グループは、国土交通省等の中央省庁及び地方自治体を主要顧客としており、これらの官公庁等に対する売上依存度は90%程度と高い比率になっております。このため、当連結グループの経営成績は、今後の公共投資額の変動により影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、海外や民間受注を増やすべく営業活動を実施しております。

(2)経営成績の季節的な変動について

当連結グループの売上高は、主に完成基準に基づいており、主要顧客である中央省庁及び地方自治体への納期が年度末に集中することから、第4四半期連結会計期間に偏重しております。これに伴い、当連結グループの利益も第4四半期連結会計期間に偏重する傾向があります。 なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は、下表のとおりであります。

前連結会計年度
(自 2021年6月1日 至2022年5月31日)
当連結会計年度
(自 2022年6月1日 至2023年5月31日)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 通期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 通期
売上高 3,745 4,748 6,486 21,687 36,668 3,648 4,822 7,756 21,282 37,509
構成比 10.2 13.0 17.7 59.1 100.0 9.7 12.9 20.7 56.7 100.0
営業利益又は営業損失(△) △591 △161 534 4,709 4,491 △825 △357 495 5,150 4,462
(3)災害による事業活動への影響について

当連結グループの事業拠点の中には、大規模地震や水害の危険性が指摘されている地域に含まれているものがあります。当連結グループでは、このような自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定し、また株式会社エイト日本技術開発においては、内閣府が推進する「国土強靭化貢献団体」の認証(レジリエンス認証)を受けるなど防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)新型コロナウイルス等、感染症拡大について

当連結グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に業務を停止するなど、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当連結グループでは、これらのリスクに対応するため、予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。 今般、世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、対策本部を設置し、在宅勤務等のテレワーク、時差出勤、職場における3密の排除、出張等の移動制限、毎日の検温など、従業員の安全と健康を最優先した対応を徹底し、感染者が発生した場合の対応等も定めて影響の極小化を図っております。

(5)成果品に関する瑕疵について

当連結グループでは、専任者による厳格な照査等を実施することにより、常に成果品の品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しております。しかし、成果品に瑕疵が発生し賠償金を支払うこととなった場合や指名停止などの行政処分を受けるような事態が生じた場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制について

当連結グループは、所管官庁から建設コンサルタント登録、補償コンサルタント登録、測量業者登録及び地質調査業者登録等の登録を受けて事業活動を実施しております。将来、当該登録の取り消し又は更新が認められない場合、もしくは今後、これらの法律等の改廃又は新たな法令規制が制定された場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。登録の更新が認められるよう、有資格者や業務実績の確保に努めております。 また、当連結グループの事業活動には、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、並びに、各登録分野に関する法令・規則・基準等による規制があります。このため、当連結グループでは、コンプライアンス・プログラム及びリスク管理規程等を作成し、行動規範、遵守項目、行動指針などを定め、すべての役職員が法令遵守の徹底に努めております。万が一法令違反が発生した場合には、指名停止などの行政処分を受ける可能性があり、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、提出日現在における当連結グループの主要な登録状況は下表のとおりであります。

登録の名称 所管官庁 会社名 登録番号 有効期限
有効期間(5年)
登録取消事由
建設コンサルタント登録 国土交通省 ㈱エイト日本技術開発 建01第116号 2024年9月30日 建設コンサルタント
登録規程
(第6条)
登録をしない場合
(第12条)
登録の停止
(第13条)
登録の消除
日本インフラマネジメント㈱ 建01第6550号 2024年6月27日
㈱近代設計 建01第711号 2024年9月30日
㈱共立エンジニヤ 建01第5315号 2024年9月26日
共立工営㈱ 建03第5816号 2026年11月10日
都市開発設計㈱ 建02第6727号 2025年3月31日
㈱北海道近代設計 建05第10534号 2028年1月23日
㈱アークコンサルタント 建04第3336号 2027年1月23日
㈱アイ・デベロップ・コンサルタンツ 建04第5877号 2027年1月15日
㈱ダイミック 建01第4749号 2024年11月12日
補償コンサルタント登録 国土交通省 ㈱エイト日本技術開発 補31第687号 2024年1月29日 補償コンサルタント
登録規程
(第6条)
登録をしない場合
(第11条)
登録の停止
(第12条)
登録の消除
日本インフラマネジメント㈱ 補05第2361号 2028年6月28日
㈱共立エンジニヤ 補04第2259号 2027年11月29日
共立工営㈱ 補02第2781号 2025年8月30日
都市開発設計㈱ 補05第5001号 2028年3月11日
㈱アークコンサルタント 補30第325号 2023年12月17日
測量業者登録 国土交通省 ㈱エイト日本技術開発 登録第(15)―263号 2023年11月30日 測量法
(第55条の6)
登録の拒否
(第55条の10)
登録の消除
(第55条の14)
無登録営業の禁止
(第57条)
登録の取消し又は
営業の停止
日本インフラマネジメント㈱ 登録第(7)―19404号 2025年10月8日
㈱近代設計 登録第(12)―4071号 2023年9月30日
㈱共立エンジニヤ 登録第(8)―16514号 2026年12月25日
共立工営㈱ 登録第(6)―21757号 2023年10月17日
都市開発設計㈱ 登録第(12)―4970号 2025年3月31日
㈱北海道近代設計 登録第(2)―35440号 2028年1月17日
㈱アークコンサルタント 登録第(12)―4211号 2023年12月20日
㈱アイ・デベロップ・コンサルタンツ 登録第(3)―32692号 2025年6月14日
㈱ダイミック 登録第(7)―17886号 2023年11月20日
地質調査業者登録 国土交通省 ㈱エイト日本技術開発 質04第367号 2027年12月25日 地質調査業者
登録規程
(第6条)
登録をしない場合
(第11条)
登録の停止
(第12条)
登録の消除
日本インフラマネジメント㈱ 質03第1620号 2026年9月30日
㈱共立エンジニヤ 質03第1627号 2026年10月14日
共立工営㈱ 質02第1561号 2025年10月10日
都市開発設計㈱ 質30第2148号 2023年12月21日
(7)情報セキュリティーについて

当連結グループの事業は、公共性が高く、個人情報を含む様々な機密情報を取り扱っております。当連結グループは全社的な情報管理体制を構築し、情報管理の徹底に努めておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)システム障害について

当連結グループは、サイバー攻撃を受けた場合の備えとして「防御システムの多層化」を実施し、迷惑メールや不正アクセスを防ぐ対策に加えて、24時間監視し不審なプログラムの挙動を判定し実行防止するEDRシステム(ネットワークの末端を監視·分析・制御するシステム)などによる対策を行っております。並行して従業員の 「リテラシー向上」に向けた対策として、攻撃メールヘの対応模擬訓練、情報セキュリティー教育などを定期的に実施するとともに、従業員の情報セキュリティー意識を高く保てるよう、適宜情報を発信しておりますが、ランサムウェアなど高度化した外部からのサイバー攻撃により、システムが停止することがあった場合、当連結グループの経営成績に影響を及ぽす可能性があります。

(9)企業買収、他社とのアライアンスについて

当連結グループは、今後も弱点地域・弱点事業領域の解消、技術者不足への対応のため企業買収や他社とのアライアンスを進める方針であります。企業買収等の際には十分な投資分析を実施しておりますが、実施後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業の展開等が計画どおりに進まず、投資やのれんの減損処理を行う必要が生じた場合、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)人材の確保、育成について

当連結グループの事業は人財に大きく依存しており、グループの成長は専門性を有する優秀な人財の確保と育成に大きく影響されます。多様な人財が活躍できる企業風士、人事制度、執務環境の整備等を通じて優秀な人財の確保に努めるとともに、各種教育・研修制度の体系化等、人財の育成に注力しておりますが、人財の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合や優秀な人財が多数流出した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぽす可能性があります。

(11)気候変動リスクヘの対応について

脱炭素社会への移行に向け、炭素税などの規制強化や気候変動の物理的影響として、平均気温の上昇、気象災害の激甚化による事業活動へのリスクと機会の両面が考えられます。
当連結グループでは、前連結会計年度より、気候変動への具体的な取り組みを開始し、パリ協定の「1.5℃目標」の実現に向け、TCFDフレームワークに基づく気候変動対応を検討し、その対策に着手しております。主な取り組みは「サステナビリティ/環境/気候変動への取り組み」を参照ください。

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