用語集

ADP

アコースティック(音響)・ドップラー・プロファイラー(観測機)の頭文字。
500kHz~1MHzの超音波を水中で3方向に発信し、水中の微粒子からの反射波を時系列に観測することにより、各層の3次元的な流れの方向および速度を観測するシステム。これにより、広い範囲の各層の水の流向流速が効率良く観測できる画期的なもの。
観測されたデータは水質問題や堆砂問題などの精度の高い解析や評価に利用できる。流向流速とともに、水底地形も3次元的に高精度で得られる。

AUV

AUV とは Autonomous Underwater Vehicle (自律型無人潜水機)の略で、機器本体が自律的に 状況を判断して水中を航行できる無人機です。人が操縦せずに全自動で水中を動ける無人 ロボットとして、人間が行くことの難しい箇所の探索や調査の生産性向上に期待されています。

BCP

BCPとは、Business Continuity Plan(事業継続計画)の略。
企業が被災しても重要事業を中断させず、中断しても可能な限り短期間で再開させ、中断に伴う顧客取引の競合他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などから企業を守るための経営戦略。トップマネージメントが参画して策定すべき計画で、バックアップシステムの整備、代替オフィスの確保、即応した要員の確保、迅速な安否確認などが具体策の典型。

BIM/CIM

BIMは、Building Information Modelingの略。また、CIMは、Construction Information Modeling, Managementの略です。
国土交通省では、建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの取組において、これまで3次元モデルを活用し社会資本の整備、管理を行うCIMを導入することで受発注者双方の業務効率化・高度化を推進してきました。 一方で、国際的なBIMの動向等は近年顕著な進展を見せており、土木分野での国際標準化の流れを踏まえ、Society 5.0における新たな社会資本整備を見据えた3次元データを基軸とする建設生産・管理システムを実現するためBIM/CIMという概念において産官学一体となって再構築し、取り組みを推進しています。

CDM / JI

CDM / JIとは、Clean Development Mechanism / Joint Implementationの略。
CDMは、日本の進んだ技術を途上国に移転することなどで、途上国の持続可能な発展に貢献するとともに、地球全体としての温室効果ガスの排出を効率的に削減する画期的な仕組み。また、JIとは、先進国どうしが共同で温室効果ガスの排出を削減する事業を実施する場合の共同実施のこと。

CIM

建設生産プロセス全体を一体的に捉え、建設情報の統合・融合による新しい建設管理システム(Construction Information Modeling/Management)の略。 調査設計段階から3次元モデルを導入し、施工、維持管理の各段階での3次元モデルに連携発展させることにより、設計段階での様々な検討を可能とするとともに一連の建設生産システムの効率化を図る。
形状や材質など属性情報を追加した3次元モデルを用いてデータモデルを構築(モデリング)し、様々なICTのツールを活用して、企画、調査、計画、設計、積算、加工、監督、検査、維持管理の各フェーズ間での、データの流通により相互運用(マネジメント)を可能とするもの。

CG

CGとは、computer graphics(コンピュータグラフィックス)の略。
データを図示するための技術や装置。またそれを作成した図。

CM

CMとは、Construction Management(コンストラクション・マネジメント)の略。
発注者、設計者と管理を専門とするコンストラクション・マネージャーが一体となってプロジェクト全般の運営管理を行うこと。
1960年代後半にアメリカの大型工場で採用され、プロジェクト期間の短縮や運営管理の総合化が図られた。コンストラクション・マネージャーは、設計者、施工者と同様に発注者と個別に契約し、発注者の利益を最優先する。基本的には、設計、工事の結果に関する責任はないが、発注者、設計者、施工者それぞれと契約を結び、責任を負う形態もある。

CSR

CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略。
日本語では、「企業の社会的責任」という意味で、企業は法律を守り、提供する商品やサービスに責任を持ち、従業員が働きやすい環境をづくり、地域社会に貢献し、地球環境に配慮した活動をしなければならない、こうした企業のありかたを表現した言葉である。

ERTS(アーツ)(当社の登録商標)

ERTSとは、Enhanced Road Traffic Specification's System(交通特性調査分析システム)の略。
「ERTS」:商標第091517号
交通量調査の安全性や信頼性の向上、より詳細な交通分析を可能にすることを目的としたシステムである。CCDカメラにより高速道路や一般道路を通行している走行車両のナンバープレート情報を終日無人で自動認識し、通過した時刻とともに電子化して蓄積することにより、時間帯別の車種別、車籍別交通量などを把握分析することができる。また、複数箇所のナンバープレートを照合することにより、車両の走行経路や地点間の走行速度を把握することが可能であり、交通特性の詳細な分析、精度の良い道路整備効果の分析や将来交通量の予測などを行うことが出来る。

ESTL(エステル)(当社の登録商標)

ESTLとは、Energy Saving Tunnel Lighting(省エネトンネル照明システム)の略。
「ESTL」:商標第4759392号
「エステル」:商標第4759393号
交通量が少ないあるいは夜間などに交通量が少なくなるトンネルで自動的に照明を調整するシステム。電力節減からCO2削減の面で注目されている。

GIS

GISとは、Geographic Information System(地理情報システム)の略。
各種の地理情報を地図、画像、調書等として取得しデータベースで統合管理し、必要な情報を速やかに検索、加工、解析、表示、資料作成等を行う地図をベースとしたマルチメディア情報システムの総称。
万一の火災のとき消防車がどの道路を行けば早く到達できるのか、道路の幅員、一方通行路、ビルの階数、消火栓の位置等が瞬時にわかれば便利である。この他、公共施設、道路、河川、地籍等の管理、資源開発、国土計画、都市計画、防災、災害、環境、森林、農業、地図作成、ナビゲーション等その利用は多分野に及んでいる。

i-Construction

i-Construction(アイ・コンストラクション) とは、2016年度より、国土交通省が導入した建設現場における新基準。
ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す取組のこと。
【補足】
i-constructionは、三本柱ともいえる、大きく3つの取り組みに分けられる。
①ICT技術の全面的な活用(土木)
土木の現場において、ドローンを用いた3次元測量やICT建設機械による施工などで、高速かつ高品質な建設作業を実現していく取り組み。
②規格の標準化(コンクリート工)
現場ごとにサイズや工法がバラバラでは、手間が増えてとても非効率。コンクリート工における規格を標準化し、業務の効率化を図る取り組み。
③施工時期の平準化
建設現場では、繁忙期と閑散期が極端なため、収入が不安定で休暇が取得しづらいといった現状があります。そうならないように考慮した発注計画を作成することで、施工時期をできるだけ平準化しようとする取り組み。

J-VER制度

J-VERとは、Japan-Verified Emission Reductionの略。
カーボン・オフセットの仕組みを活用して、国内におけるCO2等の排出削減・吸収の促進のため、国内で実施されるプロジェクトによるCO2等の削減・吸収量をカーボン・オフセットに用いられるクレジットとして認証する制度。環境省が平成20年11月からスタートさせている。市場メカニズムを活用して、バイオマスの利活用や森林の整備・保全等の地球温暖化対策と雇用・経済対策等を一体的に推進することができる。

MMS(自社開発システム)

MMSとは、Mobile Monitoring System(携帯電話式全自動観測システム)の略。
エイトコンサルタントが独自に開発(特許出願)した、迅速性、機動性、経済性を重視した携帯電話式全自動観測システムの略称。
記憶したデータを携帯電話で転送するもので、現地に設置するのは、データロガー、バッテリー、携帯電話とセンサーがセットになったシステムである。通信に携帯電話を使用することで設置が容易であり、設置したその日から現地に行かなくても、会社側のPCから携帯電話を通して、現地のデータを取り込む観測が可能である。
主に地すべり観測に使用される地盤伸縮計で利用しているが、その他に孔内伸縮計、地盤傾斜計、水位計、雨量計、アンカー荷重計、亀裂変位計などでも利用できる。

NETIS

NETISとは、New Technology Information System(新技術情報提供システム)の略。
国土交通省が公共事業における新技術活用促進のため構築したシステムで、民間等で開発した新技術を各地方建設局・工事事務所などに設けた技術開発相談室で受付け、電子情報ネットワーク(建設行政WAN / イントラネット)により全ての工事事務所等で新技術情報が共有化されている。収集した新技術のうち、試験フィールド・技術活用パイロット事業等で現場への適応性等を実証し、その評価結果も紹介されている。

PFI

PFIとは、Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の略。
公共施設等の設計、建設、維持、運営に、民間の資金とノウハウを活用し、効率的で質の高い公共サービスの提供を図る新しい事業のスタイルのこと。民間の創意工夫が大きく活かされ、民間事業者に新たな事業機会をもたらす。
PFIは、国の財政難を背景にイギリスで開始された手法であるが、我が国に見合った方式とするため、「日本版PFI」が各団体で検討されている。1999年9月にPFI推進法が施行され、2000年3月に実施のための基本方針が政府から示された。

PI

PIとは、Public Involvement(パブリック・インボルブメント)の略。
計画に際して、住民や利害関係者などに情報を開示し、計画に意見を反映させようとする試み。語義は公衆(パブリック)の巻き込み(インボルブメント)。

PM

PMとは、Project Management(プロジェクト・マネジメント)の略。
プロジェクト・マネジメントとは、プロジェクトの目的を達成するために、そのプロジェクトについて一貫性をもって、プランニング、モニタリング、コントロールなどを行うこと。
建設事業は、企画、調査、計画から設計、施工、維持管理、そして供用、廃止に至る現地一品生産型のプロジェクトであり、他分野の技術を結集して多くの関係者が関与することから、事業を遂行する上でマネジメント技術は極めて重要である。

PPP

PPPとは、Public Private Partnership(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の略。
産・官・学・民の連携による新しい公共サービスを提供する取り組み。具体例として、民活、PFI、アウトソーシングなどの導入に続き、2003年9月の自治法改正により地方自治体は3年以内に「指定管理者制度」を導入するよう求められており、この制度の注目が高まっている。具体的な例として、水道やガス、交通など、従来地方自治体が公営で行ってきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から参加して、設備は官が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託などを含む手法を指している。

RE

REとは、Renewable Energy(再生可能エネルギー)の略。
有限で枯渇の危険性を有する石油・石炭などの化石燃料や原子力と対比して、自然環境の中で繰り返し起こる現象から取り出すエネルギーの総称。
具体的には、太陽光や太陽熱、水力や風力、バイオマス、地熱、波力、温度差などを利用した自然エネルギーと、廃棄物の焼却熱利用・発電などのリサイクルエネルギーを指し、それらは新エネルギーに含まれる。

RMS(自社開発システム)

RMSとは、Realtime Monitoring System(リアルタイム観測システム)の略。
エイトコンサルタントが独自に開発したシステムで、リアルタイム性および大容量データに対応することを目的として、現場状況に見合った観測システムを構築するもので、デジタル電話回線、インターネットの利用を原則としている。
これにより、監視(閲覧)はインターネット利用可能なパソコンおよび携帯電話など経済的かつ広範囲に行える。大容量データに対応するため、一般的な計測に加えて、監視カメラも簡便に付加できることが特徴である。

SPC

SPCとは、Special Purpose Company(特定目的会社)の略。
会社法に基づく「特別目的会社」と、資産流動化法(SPC法)に基づく「特定目的会社」がある。根拠法は異なるが、どちらも略称はSPCとなる。特別目的会社は、PFIの事業会社などに代表されるように、特定事業の実施部門として機能する場合もある。一方、特定目的会社はよりペーパーカンパニー的な要素が強く、不動産証券化などでは、資産流動化のための単なる器として設立されることも多い。

TECRIS

TECRISとは、Technical Consulting Records Information System(測量調査設計業務実績情報システム)の略。
公共発注機関ならびに公益民間企業が発注する公共性の高い事業に関する業務実績情報をデータベース化し、発注機関および企業に対して情報提供を行うものであり、その整備・運営は、財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)が行っている。

Web-GIS

インターネット情報網を利用したGIS(地理情報システム)。GISも下水道台帳、道路台帳など個別の目的のものから、地図ベースを共通として広範囲の目的で所謂全庁型GISの方向に進んでいる。さらに、これをWeb-GISにすることにより、関係者のみならず一般市民への情報配信、相互交信が可能になるとともに、携帯電話等の移動利用も可能となり、飛躍的な効果が期待できる。

アカウンタビリティ

公共事業実施者の説明責任(アカウンタビリティ)のこと。
公共事業の説明責任とは、「政策、施策等を説明する責任」という意味に加え、「政策、施策等を説明できる方法で実施する責任」という意味を含み、政策、施策等の内容の説明、実施過程の説明、実績の評価等を国民に対して実施する責任があり、さらに、その説明を「わかりやすく」行う責任があることをいう。
建設省では、説明責任を向上させていくための考え方として、①情報の共有化とコミュニケーションの推進、②社会資本に関する論点の明確化と臨機の対応、③すべてのプロセスにおける評価の明確化、④公共調達の不断の改革継続、などをあげている。

アセットマネジメント

使われる分野で意味が異なるが、総合的資産管理の意味で使われ、主に公共構造物のライフサイクルコストの最小化を図るため、その損傷や劣化状況等を将来にわたって 把握し、最も費用対効果の高い維持管理を行なうための手法である。膨大な社会資本を最も経済的に維持するため、従来の対処療法的な修繕ではなく、いつどのような対策を行なうのが最適かを総合的に評価し、計画的に補修を行なう。

アドバイザー方式

調査・設計業務で発注者が建設コンサルタントなどから技術的な支援を受ける方式。
2000年11月に国土交通省が要項を固めた。同省は自治体向けにアドバイザー方式のマニュアルを作成する予定。それに先立ち、8件の直轄業務などでアドバイザー方式を試行し始めた。2000年度末から2001年度初めにかけて全国の地方整備局で入札が行われ、アドバイザーが次々と決定した。
全国の自治体が計画しているPFI事業でも、事業の可能性などを検討するアドバイザーを、民間のシンクタンクや建設コンサルタントから募っている。

カーボンオフセット

市民、企業、NPO / NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(以下「クレジット」という)を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいう。2009年3月現在、国内におけるカーボン・オフセットビジネスは約490件であり、商品・サービス型が大半を占める(ex.カーボン・オフセット年賀状、カーボン・オフセット旅行)。

京都議定書

1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3、京都会議)では、先進国及び市場経済移行国の温室効果ガス排出の削減目的を定めた京都議定書が採択された。この京都議定書は、21世紀以降、地球温暖化問題に対し人類が中長期的にどのように取り組んでいくのかという道筋の第一歩が定められたものとして高く評価されている。しかし、京都議定書だけにより地球温暖化が解決されるわけではない。京都議定書には今後に解決を先送りされた課題を含んでおり、京都議定書に基づく行動を実施していくためにはこれらを解決することが必要と考えられている。

グリーンインフラ

グリーンインフラは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方で、昨今、海外を中心に取り組が進められ、我が国でもその概念が導入されつつあるほか、国際的にも関係する様々な議論が見られています。

警戒避難基準雨量

台風や梅雨期の集中豪雨で、土石流や斜面崩壊の土砂災害が発生し人命や家屋の被害が発生している。国土交通省によると全国には約51万箇所の土砂災害危険箇所(土石流危険箇所18万箇所、急傾斜危険箇所33万箇所)があり、ハード(構造物)による対策には限度がある。ソフト的な対策として、基準雨量を定めて警戒や非難の基準としているが、いわゆる「空振り」も多く、これが多すぎると"狼少年"になりかねない。
平成17年2月に、山口大学と当社等との共同研究成果と気象庁の土壌雨量指数の考え方を融合した策定方針が国土交通省の基準として採用され、精度の向上が期待される。

建設CALS / EC

CALSとは、Continuous Acquisition and Life-cycle Supportの略。
ECとは、Electronic Commerceの略。
公共事業支援統合情報システムの通称として用いられている。
CALSとは開発から資材調査、生産、流通、保守に至る製品等のライフサイクル全般にわたる各種情報を電子化し、ネットワークを通じて組織内外で情報を交換、共有するシステムで、これによってもたらされる仕事の流れの変化を期待するものである。
また、調達の電子化はEC(電子商取引)として取り組まれていることから、建設分野では両方を含めて建設CALS / ECと表現している。

国土マネジメント

国土交通省は、従来の住宅・社会資本の量的充足に重点を置いた国土建設から、住宅・社会資本の質を重視し、既存ストックの有効利用や良好な環境の保全・創造等も視野に入れた総合的な施策への転換を目指しているが、これら一連の政策を「国土マネジメント(整備・利用・保全)」という。

国土強靭化

国土強靭化の基本理念

  • 経済等における過度の効率性の追求の結果としての一極集中、国土の脆弱性の是正を図るべく、戦後の国土政策・経済政策の総合的検証の結果に基づく多極分散型の国土の形成を行う。
  • 地域間交流・連携の推進、特性を生かした地域振興、地域社会の活性化、定住の促進を図るべく、我が国の諸課題の解決、国土の保全、国土の均衡ある発展(複数国土軸の形成)につとめる。
  • 大規模災害の未然防止、発生時の被害拡大の防止、国家社会機能の代替性の確保を図るべく、大規模災害発生時における我が国の政治・経済・社会活動の持続可能性の確保を行う。

事業評価

費用効果分析(B / C)を含む客観的な評価指標を用いて、新規事業採択時の評価や事業途中段階の再評価を行うこと。
建設省では、事業評価の実施要領(1998年3月)に基づき、新規事業採択時の評価のほか、事業採択後5年間未着工の事業や、10年間継続中の事業の再評価を行い、継続、休止、中止などの方針を決定することとしている。

指定管理者制度

地方自治法の一部を改正する法律が施行(平成15年9月2日)され、公の施設の管理に関するこれまでの「管理委託制度」が改正されたことによって、新たに創設された制度。
地方公共団体の出資法人等に限定していた管理委託制度から、出資法人以外の民間事業者を含む地方公共団体が指定した者(指定管理者)による管理の代行制度へ転換する。

社会インフラ老朽化

日本では社会インフラの新設が減る一方で、既存の社会インフラの老朽化が国全体の大問題となっている。日本では1960年代の高度経済成長期に、道路や上下水道、橋、学校などの社会インフラが一斉に建設されたが、その多くが耐用年数とされる50年を超え、建て替えの時期を迎えているためである。2011年度の国土交通白書では、建設後50年以上経過した社会インフラの割合を2010年度現在と20年後で比較すると、道路橋は8%から53%、水門など河川管理施設は23%から60%、下水道は2%から19%、港湾岸壁は5%から53%へと急増すると推計されている。
設備が老朽化するとコンクリートのひび割れや部品のさび、摩耗などにより壊れやすくなる。このまま老朽化を放置すれば重大な事故を引き起こしかねない。

スマートシティ

ITや環境技術などの先端技術を駆使して街全体の電力の有効利用を図ることで、省資源化を徹底した環境配慮型都市。再生可能エネルギーの効率的な利用を可能にするスマートグリッド、電気自動車の充電システム整備に基づく交通システム、蓄電池や省エネ家電などによる都市システムを総合的に組み合わせた街づくりが行われる。世界各地で実証実験が始まっており、日本でも京都府関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)、福岡県北九州市、愛知県豊田市、神奈川県横浜市で官民一体での実証実験が行われているほか、東京都が2020年までに実現を目指すとしている。

総合評価方式

価格だけで業者を選定すると、ダンピング(過度な安値受注)や談合が起きやすい。総合評価方式は、適切に配点さえすれば、価格と技術のバランスがとれた選定方式として、有効に機能することが証明されつつある。
技術力をより高く評価するため価格点と技術点を加算する方式を適用するとともに、価格点1に対して技術点1~3程度とする。試行を重ねて、業務特性や業績成績評定などを分析した上で、価格点と技術点の配点、技術点の項目ごとの配点を検討するよう求めている。

大深度地下使用法

深さ40mを越える地下空間を道路や鉄道、上下水道などの公共・公益事業に利用するための制度のこと。
大深度地下は、「地下室の建設のための利用が通常行われない深さ(地下40m以深)」又は「建築物の基礎設置などの利用が通常行われない深さ(支持層上面から10m以深)」と定義し、一定の公共・公益事業に使う場合には地上の土地所有者への事前補償が不要で、例外的な場合のみ事後補償が必要になる。対象地域は、三大都市圏。

地理空間情報活用推進基本法

地理空間情報を適切に整備して、円滑に活用できるようにするため、国と地方自治体が果たすべき責任を示しているほか、民間にも協力を訴えるなどの基本理念を定めている。
たんに地理上の位置を示すだけでなく、その場所や施設に関連する情報を地理空間情報と定義。例えば、ビルの住所だけでなく、所有者や規模、竣工時期などの情報も対象となる。

都市再生

都市の再生に関する施策を総合的かつ強力に推進することを目的に2001年5月、内閣に都市再生本部が設置された。同本部が6月にまとめた第一次案には、東京湾臨海部での広域防災拠点の整備とごみゼロ型都市への再構築、中央官庁施設のPFIによる整備が明記された。
経済財政諮問会議の基本方針にも都市再開発事業が盛り込まれ、都市部への重点的な 公共投資が、日本経済再生の手段として注目されている。

道路法の一部改正

都道府県や市町村が管理する道路を更新する際、高度な技術が必要な工事などを対象に、国が改築・修繕工事を代行して実施できる。対象は、長大橋やトンネルなど大規模で複雑な構造をもつ施設を想定している。
市町村を中心に技術職員の不足などで、更新・修繕に関するノウハウがないケースが目立つため、国の支援による円滑な更新につながる。国が代行する場合も従来、自治体が工事を実施する場合に受けられる補助金と同額を国が負担する。

土砂災害防止法

「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」の略称。
総合的な土砂災害対策を講ずるため、土砂災害(土石流、地すべり、がけ崩れ)のおそれのある区域について、「基礎調査」を実施し、警戒区域、特別警戒区域を設定して危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の規制、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進することを目的としている。
2000年4月に施行。

土壌・地下水汚染

土壌や地下水が有害物質で汚染される問題が、全国各地で発覚している。企業が土地を売却する際に汚染が発覚するケースや、ISO14001を取得した企業が自主的に自社所有地の汚染を公表するケースが増えているからだ。東京都や埼玉県のように条例を設け、一定規模以上の土地を開発する事業者に汚染調査や浄化対策を義務づける自治体もあったが、環境省は2000年12月に「土壌環境保全対策の制度のあり方に関する検討会」を設置し、これの審議成果等を踏まえて2002年5月に「土壌汚染対策法」が制定された。(施行は2003年2月)この法律により、土壌汚染の状況把握、人の健康被害の防止に関する措置を明確にした。

南海トラフ、首都直下地震対策特措法案

南海トラフ巨大地震対策特別措置法案は、既存の地震防災対策強化地域と東南海・南海地震防災対策推進地域のうち、南海トラフ巨大地震が発生した場合、特に被害が大きい区域を「南海トラフ巨大地震緊急対策区域」に首相が指定。緊急対策で実施する公共施設整備や土地改良事業、集団移転促進事業を実施計画として定め、国の補助率などの特例を設け、各自治体による早期の緊急対策実施を促す。
首都中枢機能の維持を目的とする首都直下地震特別措置法案は、首相が東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県の中から「首都直下地震緊急対策区域」を指定し、首都中枢機能維持などの方針を「緊急対策推進基本計画」で示す。

入札・契約方式の多様化

我が国の社会経済構造の変革、国際化による競争の激化等建設市場の構造変化に対応するため、1994年度以降、公共工事入札・契約制度の透明性・客観性、競争性を大幅に高め、不正が起きにくいシステムとすることを目指して、大規模工事への一般競争方式の採用、指名競争方式の改善等の抜本的な改革が進められて来た。
また、品質確保・コスト縮減を目的として、民間技術力を活用する技術提案方式の導入等、対策工事の性格に応じた方式を採用できるよう、多様な方式が制度化されてきた。

バイオ関連技術

バイオとは、生物、生命を意味し、これらに関する技術、知識をさまざまな分野で積極的に利用することが試みられている。微生物の活用も代表的なものであり、最近では汚染された土壌を浄化するのに利用されていることもその一つである。

ハザードマップ

種々の災害に対する危険性を示した災害予測地図のこと。例えば、河川の洪水・浸水に対する「洪水ハザードマップ」、火山災害に対する「火山ハザードマップ」、地震に対する「地震ハザードマップ」、津波に対する「津波ハザードマップ」などがある。洪水ハザードマップの場合、対象市町村数約1800市町村のうち作成済みは300市町村余りで、国土交通省も作成推進を図っている。コンサルタントの市場としても期待ができる。

バーチャルリアリティー(VR)

CG(コンピューター・グラフィックス)等により人工的に作りだした仮想空間を人間の体の動きに対応させて、現実の世界のように実際に動かし体感することができる技術のこと。
娯楽や教育の他、工業、医療のシミュレーションに利用することができ、建設分野においては、計画・設計時の検討や施工のシミュレーションに利用できる。

廃棄物処理法

1970年に制定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の略称。
2000年4月に改正され、廃棄物についての適正な処理体制を整備し、不適正な処分を防止するため、国における基本方針の策定、廃棄物処理センターにおける廃棄物の処理の推進等の措置を講じるとともに、周辺の公共施設等の整備と連携して産業廃棄物の処理 施設の整備を促進することとした。

発注者責任研究懇談会

国土交通省と農林水産省が1998年4月に設置した発注者責任研究懇談会は2001年3月、発注者責任を果たすための具体策をまとめた第二弾の報告書を公表した。発注者に公共事業を遂行する体制が整っていない場合に補完する方法として、①発注者支援を受ける、②品質保証制度を採用する、③発注者側に任せる業務を増やす--という三つの選択肢を提示。それぞれの課題を整理した。

品確法

住宅に関するものとして、2000年4月に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行されているが、建設関連として2005年4月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行された。これは過剰な価格競争による公共工事の品質低下を防止しようとするもので、「発注者の責務の明確化」、「価格と品質の総合評価」、「発注者をサポートする仕組みの明確化」が骨格となっている。さらに、総合評価の中に「企業の信頼性」、「企業の地域性」なども入れるべきとの意見も出ている。
コンサルタントにとっては、高い技術力を持つことにより過剰な価格競争を避け、真に技術で対応できるものと期待されている。

プロポーザル方式

建設コンサルタント等に調査設計等の業務を発注する場合に、技術提案書の提出を求め、技術的に最適な者を選定する方式のこと。
業務内容が技術的に高度なもの、または専門的技術が要求されるものに適用される。

リスクマネジメント

リスクマネジメントは、各分野でそれぞれの目的によって様々に使用されているが、総合管理技術としてのリスクマネジメントは、企業などの組織、あるいは組織の活動に潜在する不確定性のある事項を整理・分析し、組織のリソースの範囲で最適な対処法を検討・実施することである。リスクマネジメントを実施するためには、リスクの概念を理解することが重要である。リスクには、品質や設備などの経済性管理の失敗に起因するリスクから、人や情報の管理の失敗に起因するリスク、労働災害や自然災害リスク、環境リスクまでの各管理の全てに関連するものである。リスクを発見、特定、認識し、その対策として保有、削減、回避、移転のいずれを選択するのかを検討しなければならない。

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